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甲賀市議会議員定数を27人とする条例の制定について

 6月議会最大の議案であり、10月の市議会議員選挙から適用される議員定数について、現状の30人を27人とすることが賛成多数で議決されました。

 私は、次のような理由から本条例案に反対し、採決については棄権しました。

【原案反対、採決棄権の理由】

 議員提案となった3人減の削減案は、次の理由よりもっと減らすべきであると考えます。しかし、もしこの議案に反対者が多く否決された場合には、廃案となり現行の30人の定数となってしまいます。それでは、もっと減らすべきだとする私の思いに反し、市民への説明も果たせません。本議案が議員提案になったのも、様々な意見があって一本化出来ないからであって、議員個々がどのように採決に臨むのか不明な状況では、反対も賛成もできないと判断し、棄権することとしました。

※  このことについて、議長と議会事務局長から休憩時間に議長席に呼び出され、苦言を呈されましたが、意思通りに行動しました。翌日、議会事務局長から私の行動とその理由は理解できたとの説明を受けました。

【反対理由】

 ① 甲賀市の厳しい財政状況と市民の議会・議員に対する思いを考えたとき、一人でも多く議員削減すべきだと考えます。私は、様々な条件を最大限考慮しても6人減の24人にはすべきだと考えます。3人減はあまりにも削減幅が小さく、その理由も明確ではありません。

② 議員を減らすと市民の声が届きにくくなるという提案理由ですが、市民の声が反映するのは、議員の人数ではなく、議員の資質と意識の問題であり、人数が減っても議員としての責務をしっかりと自覚して議員活動すれば、定数が減っても十分に機能します。アメリカでは数十万の都市であっても10名までの議員の所が普通です。最も大切に事は、議員の資質であって人数ではないと考えます。

③ 甲賀市は面積が広いから定数を多くする必要があるとの提案理由については、地方自治法で定められている定数の上限の算出基準は人口のみであって、面積による配慮はありません。もし、面積を考慮するのなら、小選挙区や前回の市議選のような地方区を設けたり、地方区と全市区の併用のような選挙区制度で検討すべきです。ちなみに、甲賀市より面積の広い高島市の定数は、法定の上限数30人(甲賀市と同じ)に対し10人減の20人です。

④ 類似市と比較して3名減に決めたとされていますが、県内他市と比較しても甲賀市だけは特段に多く、その理由が明確ではありません。また、全国の類似市と比較(グラフ参照…現在コピーに挑戦中です!)しても、甲賀市の3名減は減少幅の少ない部類に入ります。議員の保身のためであってはならないと思うのですが・・・。

※ 甲賀市と同じ法定上限数30人の県内他市の状況

近江八幡:20人(10人減)  守山市:22人(8人減)  栗東市:20人(10人減)   

高島市:20人(10人減)  湖南市:20人(10人減)   甲賀市:27人(3人減)

長浜市:28人(びわ町・浅井町との合併協定より2名減、次回は湖北6町と合併した場合は 合併特例で30人、合併しない場合は24人の6名減)

⑤ 合併して間もなく、旧町間の課題や議会としての成熟度から定数が多い方がよいとする提案理由については、全国の合併市の多くで合併時より定数を減じていることや、合併市町の垣根を早くなくすために、合併後2回目から大幅削減している市がほとんどです。どうしても旧町への考慮が必要なら、人数ではなく選挙区の工夫で対応すべきだと考えます。

⑥ 議員定数を定めてきた地方自治法では、今まで全て偶数です。議会制民主主義の基本原則である多数決の原則では、議長を除いて賛否同数になることを避けての原則とされてきましたが、なぜ、定数の定めを最初から奇数にされたのか。その理由が明確ではありません。確かに全国的に見ると(グラフ参照)、約2割弱の市が奇数の定数を採用しています。しかし、これらの市には、急激な人口の増減への対応や合併による特例等の特別な理由があります。甲賀市の場合にはどんな理由から奇数の定数にされたのでしょうか。欠員が出来れば奇数になる、欠席者があれば奇数になる、従って奇数でも良い、では明確な理由とは言えません。

⑦ 議員定数の削減は、議会改革特別委員会で論議されてきましたが、最後になって特別委員会からの条例案提出ではなく、清風クラブと公明党による議員提案となりました。このことが決まる前に行われた「住民への説明会」では、議会改革特別委員会で議員定数案を最終決定し、6月定例会に提案、審議、決定すると明記されていたのですが、急に変更になりました。この結果、何度も審議してきた特別委員会からの報告がないまま本会議にかけられ、決定されました。これでは議会改革特別委員会は定数削減について何を審議してきたのか、どのような意見があったのか不明なままであり、市民への説明責任を果たしたとは言えません。

 以上の理由から私は原案に反対しました。ちなみに、3名減を議員提案した清風クラブと公明党が賛成、4減と定数は偶数であるべきとする甲政クラブ、6減とする政政会、定数据え置きの共産党が原案に反対でした。

2009年07月10日 16:33 | 個別ページ | コメント (0)

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